二人の聖人

11月は帽子屋にとって大事な守護聖人の日があります。

・フェルト製造技術を再発見してくれた聖人

・帽子職人、お針子、独身女性の守護聖人

11月23日 HAPPY ST CLEMENTS DAY!

St.Clement 聖クレメンス

ラテン語:Papa Clemens I クレメンス1世

英語名:Clement クレメント

フェルト製造技術を再発見してくれた聖人

生年月日: 西暦35年

出生地: イタリア ローマ

死亡日: 西暦99年, セバストポリ ケルソネソス

初代教会時代のローマ司教。のちにローマ教皇の第4代として列せられている。

彼がフェルト製造機術を再発見してくれたので、フェルト帽子の材料・帽体の製造技術が今も続いているんだと思います。

フェルト帽子を持っている方はぜひ彼の徳を称えてください。

*聖クレメントの手柄*

フェルト製造技術は中世暗黒時代に一度

消滅してしまい、聖クレメントがその後再発見してくれた。

彼が旅に疲れた足の痛みを和らげようとウサギの毛皮を踏んでいるうちに、まるで奇跡が起きたかのようにより合わされ、強く丈夫でしかも快適な生地に生まれ変わっていることを発見し、後のフェルト帽体の製造技術に進んだそうです。

なので彼がなくなった後、幾多の時代の帽子屋にとって、彼は守護聖人になり毎年11月23日にはその徳をたたえられています。

*フェルトの誕生には諸説あるそうです。

他の歴史家によると、十字軍の戦士たちが東洋の敵が天幕や馬の飾りにフェルトを使っているのを見て、西洋に持ち帰ることになったものだとも言われています。

蒙古の遊牧民が自然にもつれた羊毛のシートを体に巻きつけたとされることや、古代アラビアがラクダの毛をサンダルの底敷きにしていたことがフェルト(不織布)の始まりともされています。

11月25日 聖女カタリナを祝う日

HAPPY Saint Catherine's Day セントキャサリンズデイ

帽子職人、お針子、独身女性の守護聖人を祝う帽子パレードの日。

St. Catherine of Alexandria

(聖キャサリン・アレクサンドリア、聖カタリナ・聖カトリーヌ)

帽子職人、お針子、独身女性の守護聖人。

当時もっとも知性と教養と美しさを兼ね備えた女性として、

その名がヨーロッパ中に知れ渡っていたキャサリン。

生年月日: 西暦287年

出生地: エジプト アレクサンドリア

死亡日: 西暦305年, エジプト アレクサンドリア

守護対象:modistes, milliners, hat-makers,キリスト教の弁証者、車輪作りの職人(陶工と紡績業者を含む)、記録保管係、教育者、研ぎ職人、弁護士、少女、機械工、製粉業者、看護師、図書司書、学者、ベリオール・カレッジ (オックスフォード大学)、パリ大学

記念日: 11月25日(正教会では同24日)

象徴: 壊れた車輪、剣、足下の王冠、霰、花嫁のヴェールと指輪、鳩、鞭、本、異教の哲学者と論争する女性


🇫🇷フランス(特に、北フランス・ロレーヌ地方・アルザス地方とModiste モディスト(帽子職人)が多いパリ2区。)

Fête de sainte Catherine (catherinettes)

サン・キャトリーヌ祭 (カタリネット)


パリのお針子さんのお祭りでもあり、帽子を作りそのファションを見せると言うのが最近の傾向のようですが、

歴史は中世時代にさかのぼります。

当時、まだ結婚していない25歳の女性たちは、聖カトリーヌに夫を見つけてくれるようにお願いをする為、正装し特別な帽子をかぶり列を作って聖カトリーヌの像の前に。

こうして、結婚しないまま25歳になった女性は今でも「聖カトリーヌの髪を飾る」カトリネット catherinettesと言う名を付けられます。今日では25歳で独身は普通ですが、ともかくこの日には未婚の25歳の娘たちが緑と黄色で作られた突飛な帽子を被ってお祝いされるそうです。なのでこのお祭りは、その帽子を作るための帽子職人のお祭りにもなりました。

近年フランスではファッション業界で働く女性達が、「幸せになれますように!」と緑と黄色で製作された帽子を被り、着飾って楽しむお祭りに。

日本でも、この日11/25には、緑と黄色で製作された帽子をかぶって楽しむ日になれば嬉しいです。


🇬🇧イギリスではレースメーカーによって祝われました。

聖カタリナに敬意を表して「Cattern cake/ Catterning cake カタンケーキ/カタニングケーキ」を焼くそうです。

時のローマ皇帝マクセンティウスにとらえられ、車輪に括り付けられ転がされるという拷問を受けそうになった際、彼女が触れた途端その車輪が壊れてしまったという伝説が。

結局その後キャサリンは斬首刑となってしまうのですが、聖人として列せられ、今も多くの人々から厚い信仰を集めています。

そしていつも彼女の傍らにあり、象徴となっているのが「壊れた車輪」。そのせいもあり、車輪と関係のある職業、車輪作り職人はもちろん、陶工、紡績業、研ぎ職人、製粉業、帽子職人、帽子製造業、そしてレース職人の守護聖人。

もう一人のキャサリン、Catherine of Aragon(1485-1536)

あのヘンリー8世の第1王妃としても有名なキャサリン王妃を祝う日。

BedfordshireのAmpthill に幽閉されていた当時、この地方のレースメーカーたちのパトロンとして尽力していたキャサリン妃。今でもBedfordshireには独特のレース織りが伝わっています。往時のレースメーカーたちは普段からほんの少しずつお金を取り置き、11月25日にはカタンケーキとボヒーティー・武夷茶でお祝いをしたそうです。


🇺🇸アメリカ・ニューオーリンズでは、

フランスの伝統を守りながら、

帽子職人、針子、独身女性の守護聖人を祝う帽子パレードの日。

神戸 エメラの帽子教室

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