帽子のフェルトのお話です。
帽子製造で、使用するフェルトは一般的な手芸で使用する平面フェルトとはちょっと形状が異なります。
『 フェルト帽体*英語ではFelt Hat body 』と呼ばれていて、帽子を一つ作ることができるおおよその形と分量に作られています。
『フェルト帽体とは?』
羊毛、兎毛(ともう)の繊維層に、水分と熱、圧力を加えて摩擦することにより縮絨させ、繊維の状態から直接ベル型、キャプリーヌ型に半成形した帽子用フェルトで、帽子の半製品のようなもの。
『羊毛』で作られたものを、『ウールフェルト』:素朴な風合いがあり、かたく、しっかりした手触りのものが多い。
『兎毛』で作られたものを、『ファーフェルト』:しなやかで、軽くなめらかな手触り、独特な光沢もある。
傾斜のきつい、『 cone hood・le cône / ベル型 』
ブリム(つば)の広い『 capeline / キャプリーヌ・カプリーヌ・キャプリーン・キャペ 』があり(人によって呼び名がちょっと違います)、デザインしたい帽子の形に近いものを選択します。
[[[ フェルトの歴史 ]]]
メソポタミア文明時代
アジアの遊牧民族から習得したフェルト製造技術は、エジプト人、メソポタミア地方の諸民族、ギリシャ人、ローマ人に知られていたが、その後中世暗黒時代には忘れられていた。
当時のフェルトは、今日と同様にウールや毛髪の細かいくずを湿らせながら押しかためて作った。
どうしてこういう方法で、フェルト製造できるのかは、近代になるまで分からなかった。
織物を作る技術が紡績技術に先んじて生まれたように、フェルト製造技術は、織物技術より前から存在したものである。
3世紀:ビザンチン帝国
フェルト技術製造は中世暗黒時代に一度消滅し、その次の時代にまた息を吹き返した。
一説によると、この技術の再発見は、イギリスの聖クレメント・St.Clementの手柄だと言われている。
彼が旅に疲れた足の痛みを和らげようとして靴の中でウサギの毛皮を踏んでいるうちに、フェルト状のものが足の下にできたというのである。
幾多の時代の帽子屋のとって、この聖者は守護神になり、毎年11月23日はその徳を称えられているそうです。
ほかの歴史家の説によれば、十字軍の戦士たちが、東洋の敵が天幕や馬の飾りにフェルトを使っているのを見て、西洋に持ち帰ったことになったのだとも言われている。
フェルト帽体ができるまでは下記動画をご参考に。
L'Atelier-Musée du Chapeau à Chazelle-sur-Lyon
フランス・Chazelles-sur-Lyon ( シャゼールスルリヨン )にある帽子博物館
『L'Atelier-Musee du Chapeau 』の紹介動画です。
こちらの博物館では帽子工場跡地に、帽子のAからZまでを展示しています。
Stetson Hats The Best In The West In Beaver Felt Cowboy Hats
日本で帽体が手軽に買えるのは中野の帽子材料ニシダさんです。
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